LYNCSブログ

慶應義塾大学公認学生団体 宇宙科学総合研究会(LYNCS)のブログです。

LYNCSの手引

はじめに

 みなさんどんなサークルに入りたいか決めましたか?

 「サークル多すぎて選べない!」あるいは「特に興味を引くものがない…...」と迷っている人も多いでしょう。もちろんどんな選択をするかはみなさんの自由です。

 しかし! 今この記事を読んでくれている方、少しでも宇宙に興味があると見込んでお願いがあります。宇宙に憧れる、星が好き! そんな心をもつすべての方にLYNCSはその門戸を開いています。だから、サークル選びの際はぜひLYNCSを検討してみて下さい!

 …...なんて、それだけで選んでもらうなんて虫が良すぎますよね。ええわかっています。だからこの記事があるのです。ぜひ当サークル、LYNCSについて知って欲しいのです。なので少し時間をください、そしてこの記事を読んでくれたら嬉しいです。

 さて、どんな活動をしているかわからないサークルに入るなんて挑戦者、ほとんどいないでしょう。ですのでここでは、「LYNCSが過去に何をしてきたのか」そして「これから何をする、あるいはしたいと思っているのか」についてお話しします。

 でもその前に、「LYNCSとは何か」を簡単に紹介しましょう。LYNCSとはずばり、「宇宙を研究する」サークルです。そしてそのアプローチ方法により、主に3つの本部に分かれて活動しています。工学研究本部理学研究本部天文研究本部です。また、新たなプロジェクトを立ち上げるための場として、先端技術研究本部というものもあります。

 名前だけ聞いたところでよくわかりませんよね。ということで、お待たせしました! これから各本部の活動紹介に入りたいと思います。この記事で少しでもLYNCSに興味を持ってもらえればと願っております。


*当サークルは慶應義塾大学公認団体であるため、慶應生でない方はご入会できません。



工学研究本部

これまで:CanSat製作!

 工学研究本部では主にCanSatの製作をしています。最近だと、「宇宙兄弟」と言う作品で知った人も多いかもしれませんね。

 CanSatとは一言で言えば「模擬人工衛星」のことで、衛星開発を体験する目的で製作されます。上空50mから落下させた後、自律制御によって目標地点へ到達できるようにするため、CanSatには「飲料水の缶サイズ」という限られた大きさの中に小型人工衛星で使われる技術をつめ込むのです。

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実際の投下写真

 さて、そのようなCanSatの製作を通して、「8月の能代宇宙イベント・3月の種子島ロケットコンテストへ参加し成果をあげる」ことが工学研究本部の共通目標です。その目標の達成に向けて、CanSatの開発は主に機体班(機体の設計)、回路班(回路の設計)、制御班(制御プログラムの記述)に分かれて行ないます。

 ですが別にどこか一つの班にしか入れないわけではなく、複数の班を掛け持ちすることもできるので、「いろんなことに関わりたい!」という方も大歓迎です! また、実際に活動してみて「他の班にも興味あるな〜」とか「二つの班に入ったけど、一つに絞りたいな」と思っても、途中で班を変えることもできるので安心して下さい。

 「初心者なんですけど......」という方もいますよね。大丈夫です。多くの方が、最初は初心者です。必要なスキルは、製作を通して身につけていければ良いので、未経験だからと言って心配は無用です。

 実際、活動の中で得られる経験というのは大いにスキル向上に役立ちます。部員の中には、工学で培った技術をもとに、先端技術研究本部の活動として水中ロボコンへ出場した人もいます。

 ではここで、2019年度の活動について簡単に紹介します。2019年度は、COVID-19の影響で種子島ロケットコンテストは中止となり、能代宇宙イベントへのみ参加しました。そこで用いたCanSatの特徴は、2018年度の大会でパラシュートがタイヤに絡まってしまったことの反省として、パラシュートの空中分離を実装したことです。

 しかし本番では、高度が正確に測定できなかったため空中分離は動作せず......そうなった場合の対策はしていましたが、落下衝撃によってセンサーが接触不良になり走行不能となってしまうという結果に終わりました。次回はこの反省を生かして、より良いものを製作したいと思います。

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微動だにしないCanSat

これから

 COVID-19の感染拡大に伴い、先行きが不透明ではありますが今年度も

  • 能代宇宙イベント (2020年8月)
  • 種子島ロケットコンテスト (2021年3月)

に向けてCanSatを製作していく予定です。新会員のみなさんも、プロジェクトマネジメントを含め主体的に活動できますので、ぜひとも存分に製作を楽しんで下さい!

最後に

 工学研究本部では、矢上キャンパスにあるマニュファクチュアリングセンター などの本格的な設備を1年生も使うことができるので、1年生の内からものづくりやプロジェクト進行についての実践的な知識や経験を得られます

 「ものづくりやマネジメントをやってみたい」「せっかくなら大学の設備を使いたい」もちろん「人工衛星が好き・宇宙が好き」という方も、ぜひ工学研究本部へお越しください!


理学研究本部

これまで:輪講で学ぼう!

 理学研究本部では、主に輪講(ゼミやセミナーといわれることもあります)を行なっています。輪講とは、一つのテキストを議論形式で読み解いていく、というものです。まずテキストの章ごと(もしくは節ごと)に一人ずつ担当を決め、順々にそれぞれの担当箇所を、自分なりに発表していきます。そして発表の中で疑問点等あれば、その場で議論し理解を深めていくのが輪講の一連の流れです。

 でも「発表って言っても、どうやってするかわからない」と思う方も多いでしょう。そこで、参考までに以下の二つを上げておきます。

 ......上二つ(特に二つ目)を見ると輪講に対して身構えてしまうかもしれませんが、あくまで“参考程度に”考えて下さい。当たり前ですが、最初は誰もが初学者なので、数多くこなしていく中で慣れていけば大丈夫です。2019年度も、3年生に助力をいただきながら、1年生主体で輪講を行ないました(ちなみに、題材は「畑浩之(2014). 基幹講座 物理学 解析力学 東京図書」です)。

 ただ、どのような輪講になるかは一人一人の意識の持ち様によって変わってくるのもまた事実です。でも難しいことはありません。「好きなテーマを学びたい」「理解を深めたい」という純粋な気持ちさえあれば良いんです。発表が完璧である必要なんてありません。だからあまり気負わず、気軽に輪講に参加してもらえればと思います

 ここまで輪講について話してきましたが、実はこれ以外にも理学研究本部の活動があります。それは、技術書典への参加です。技術書典とは、IT技術を中心とした同人誌即売会のことです。ジャンルはプログラミングから理論物理まで多岐に渡っています。こちらは有志ではありますが、理学研究本部の活動を盛り上げるためにも、より多くの方に参加してもらえたら嬉しいです!

これから

 今年度の活動についてですが、輪講は引き続き行なっていく予定です。COVID-19の感染拡大により活動に支障が出る可能性はありますが、輪講でしたらオンラインでも実施可能です。SkypeやZoomなどを使った輪講を検討しています(Zoomに関してはその脆弱性が不安視されていますが、少人数での使用であればそれほど問題はないと思います)。

 もちろん、扱う内容やテキストは話し合って決めるつもりです。新入生の意見を最優先にします! また、今年度からは輪講以外にも何かしたいと考えていますが、今のところ未定です。こちらに関しても新入生の意見大歓迎です!

最後に

 理学研究本部は、他本部との掛け持ちも比較的容易だと思います。また、輪講を通して人に説明する能力が磨かれるので、将来の研究発表やプレゼンの練習にもつながるでしょう。さらに、本部の予算に余裕があれば、高額な理学書を購入することもできます(こちらに関しては話合いが必要ですが......)。

 どうですか、良いこと尽くめでしょう? ですのでみなさん、ぜひお気軽に理学研究本部へ!


天文研究本部

これまで:観測、合宿、プラネタリウム! 

 天文研究本部での主な活動は“星の観測”です。では具体的にどんな活動をしているのか? 早速その紹介に入りましょう。

 まずは過去の活動から。2019年度には、合宿やプラネタリウム鑑賞、国立天文台への訪問を行ないました。

 ここでは合宿について少しお話しします。合宿は計3回、それぞれ清里山梨県)、阿智村(長野県)、下田(静岡県)へ行きました。清里合宿は新歓イベントの一つとして5月に、阿智村合宿は夏休みに、下田合宿はふたご座流星群を見るために12月にそれぞれ行なったものです。

 合宿の主な目的はもちろん星を見ることなのですが、合宿ですることはそれだけではありません。夜になるまでは観測ができないので、それまで近くを散策したり、部屋でゆっくり過ごしたりします。そうして夜を待つのですが…...天気が悪くて星がよく見えないことだって当然あるんです。それが天体観測合宿の恐ろしいところですね(まあ個人的にはそれも楽しみの一つだと思いますが)。

 でもよく晴れた日は圧巻の星空を見ることができます! 街明かりが少なく、暗い場所に行っているので、晴れてさえいれば満点の星空が見られます。そんな時はただ星を眺めたり、カメラ機材を持っている人は撮影をしたりして過ごしています。

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清里合宿にて

 以上が観測合宿の概要です。「もっと詳しく知りたい!」という方は、下田合宿についての記事を過去に上げているので、そちらも見ていただけると嬉しいです。

下田合宿 2019 報告

 さて、実は天文研究本部の活動にはもう一つ重要なものがあります。それは、三田祭でのプラネタリウムの出展です! 例年LYNCSでは、プラネタリウムの投影機(MEGASTAR.Jrという、科学館にもあるような投影機と同等のスペックがあるものなんです!)をお借りして、プラネタリウムの設営から解説まで一通り行なっています。設営は他本部とも連携して行ない、解説は天文研究本部の会員を中心にしています。

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プラネタリウム設営の様子

 もちろん解説などもやりがいがあって楽しいものなのですが、楽しみはそれだけではありません。準備期間や営業を終了した後など、お客様のいない時間は投影機を自由に使えるので、その時に好きな季節の星空を投影したり、投影機を操作して時間の流れる速さを変えることで、まるでタイムラプスで撮ったような星の動きを見て楽しんだりするのも面白いです(笑)

 以上で過去の活動の紹介を終わります。これで大体の雰囲気を掴んでもらえたら幸いです。ここからは、これからの活動についてお話しします。

これから

 と言っても、今年は新歓合宿もいつ開催できるかわからず、今後の活動の予定も現在立てられずにいるので、ここではどんなことをしたいと思っているかについて話をしたいと思います。

 例年通り合宿や、また日帰り観測も実施したいと考えているのですが、その中でも一つ、サークル所有の天体望遠鏡を持ち込んでの観測合宿を行ないたいと思っています。現在、部室には鏡筒と赤道儀(簡単に言えば、星を追尾するための装置です)が置いてあるのですが、それを2019年度は活用できなかったので、今年度こそはぜひ使いたいと考えています。望遠鏡を使えば、例えば惑星などをよく観測できますから。

 それと、これは単なる祈りなのですが、よく晴れた、月のでない日に観測を行ないたいです!

最後に

 かなり漠然としたもので、あまり参考にならなかったのなら申し訳ありません。ですが言い方を変えれば、どんな活動をするかこれから色々と決められるということです。

 LYNCSでは、毎週の定例会でいつどこに観測に行くかを、会員同士で意見を出し合って決めています。もちろん、新しく入ってくれた会員も自由に意見してくれて結構です。むしろ大歓迎です!

 なので星が好きな方、またプラネタリウムの投影機をいじってみたいという方、宇宙が好きな方、ぜひLYNCSの天文研究本部へお越しください!


先端技術研究本部

これまで:あなたの“挑戦”を応援します!

 先端技術研究本部では、斬新なアイデアや新たな大会に挑戦する団体文化を培うために、他の本部とは独立した新規チームを組織しています。活動内容は決まっているわけではなく、誰でも自分のやりたい活動を提案してチームを組織することができます!

 2019年度では、地球外惑星の海洋探査を想定した水中ロボットを開発し、水中ロボコンに参加しました。他にも、有志で物理や数学などの勉強会を開催したり、工学研究本部・天文研究本部の会員から横断的にメンバーを集めて衛星設計コンテストに参加したりしたこともあります。勉強会は、現在では理学研究本部として独立しています。また、衛星設計コンテストでは学会賞を受賞したことがあります。

これから

 LYNCSでは、会員の自発的な挑戦をいつでも歓迎しています! 他の本部の活動内容に該当していなくても、宇宙に関連していることなら何でもOKです。まずは気軽にアイデアを出してみましょう!

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左:衛星設計コンテストで学会賞を受賞した全天周宇宙映像衛星「Sachika」  右:地球外惑星の海洋探査を想定した自律型無人潜水機「銀次郎」


おわりに

 いかがでしたか? 少しでもLYNCSの魅力が伝わったでしょうか。

 慶應にサークル多しと言えど、LYNCSほど宇宙に関して幅広く活動できる場所は他にないと思います。そんなLYNCSへ、ぜひみなさんお気軽にお越し下さい!

 お問い合わせは、下記の公式LINEアカウントにて受け付けておりますので、ご連絡をお待ちしております。

 ここまで読んでいただいたみなさん、ありがとうございました!

公式LINEアカウント

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