LYNCSブログ

慶應義塾大学公認学生団体 宇宙科学総合研究会(LYNCS)のブログです。

四季の星座紹介:Yossy

この記事は、LYNCS Advent Calendar 2018 5日目の記事です。今回は、今年の三田祭で配布させていただいた部誌「Escape Velocity Vol.2」に掲載した記事の公開版です。Yossy による星座紹介の記事になっています。Adventar には今日の担当は min と書かれていますが、これは私 min が転載を行ったというだけであり、元記事の著者は min ではありません。

はじめに:夜空は一年中面白い

星座を見るメインの季節とされるのは冬と夏である。だが、だからといって春と秋に有名な星座が無いわけではない。華やかな冬・夏とは違い、春や秋は穏やかな星々が夜空を照らしている。そこで、このコーナーで は四季の各季節からおすすめの星座を 1 つずつ選んで紹介する。この星座でなくても、合宿などで町明かりのない場所へ出かけたときに夜空を見上げれば、星々があなたを癒やしてくれるだろう。

春におすすめの星座:おおぐま座

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おおぐま座

おおぐま座とはどんな星座?

有名な北斗七星のある星座である。春の他の星座を探すときの目印にもなるので、ぜひ実際に見つけてみてほしい。

おおぐま座の見つけ方は?

春の夜空で北の方角を見ると、柄の長いフライパンを横からみたような形に星がならんでいるのが見つかるはずだ。これが「北斗七星」である。北斗七星のうち、フライパンの柄の部分がおおぐま座での熊のしっぽ、鍋の部分が熊の背中に対応する。

おおぐま座には二重星がある!

北斗七星のフライパンの柄の先から2番目の星、ミザール(ζ 星)を注意深くみつめると、暗い星がくっつ いているように見える。この星はアルコルといい、ミザールとアルコルは 2 つの星が重なって見える「二重星」として有名だ。この 2 つの星が実際に近くにあって互いのまわりをまわっている「連星」なのか、地球からみると偶然近くにあるように見える「見かけの二重星」なのかは分かっていない。近年の観測で、ミザー ル自体も 4 つの星が 2 つのペアを組んでまわりあう「四重連星」であることが分かった。

夏におすすめの星座:こと座

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こと座

こと座はどんな星座?

こと座は有名な星座なので、知っている方も多いはずだ。こと座には、七夕の織姫の星として有名な星・ベガ(α 星)があり、近くのわし座のアルタイル、はくちょう座のデネブと共に、明るい星の三角形「夏の大三角」をつくっている、夏の夜空の華ともいえる星座なのである。

こと座の探し方

夏の夜空で頭の真上のあたりをみると、ひときわ白く輝く明るい星が見つかるだろう。これがベガである。 星がよく見える場所であれば、ベガのすぐ近くで 4 つの星が小さな平行四辺形を描いているのを見つけよう。こと座は主にこの四辺形とベガでつくられる、小さくも美しい星座である。

こと座の宝石・リング星雲

こと座の平行四辺形には、リング星雲(M57)という綺麗な天体がある。この天体は、星が死ぬときに放出したガスが照らされて光って見える「惑星状星雲」という天体で、その名の通りリング状にガスが広がっていて美しい。小型の望遠鏡でも見つけることができるので、探してみてほしい。

秋におすすめの星座:カシオペヤ座

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カシオペヤ座

カシオペヤ座はどんな星座?

カシオペヤ座は、北斗七星のあるおおぐま座北極星を挟んで反対側にある星座である。秋の夜空の中では一番目立つ星座のため、他の星座を探すときの目印としても利用出来る。

カシオペヤ座の見え方

カシオペヤ座は北極星に近く、日本からは 1 年中みることが出来る。秋の夜空では、空高くに M 字形に 5 つの星が並んで見える。北極星の周りを回っているので、春には W 字形に見える。

冬のおすすめの星座:オリオン座

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オリオン座

ぜひオリオン座を

冬の夜空といえばもちろん、オリオン座は欠かせない。都会で町明かりがある場所でも、特に星座に詳しくなくても簡単に見つける事が出来るので、気軽に観測できるイチオシの星座だ。

オリオン座の見え方

冬の夜空で南の方角を見ると、リボンの結び目のような形の星座-オリオン座が見つかる。オリオン座の中央には 3 つの星が並んでおり、星座の両端には赤いベテルギウス(α 星)と青白いリゲル(β 星)という 2 つの一等星が対角線上に輝く。星座の中央に並んでいる三つ星からみてリゲル側には、さらに小さく 3 つの星 が並んでいるように見える。この「小三つ星」の中央には、ピンク色に輝く「オリオン大星雲(M42)」という 巨大な星雲がある。

ウルトラマンの故郷!?

オリオン座には大星雲の他にもたくさんの綺麗な天体が存在する。そのひとつ、M78 星雲は、三つ星のベテルギウス側にある散光星雲で、内部で生まれた星が周囲のガスを照らして輝いている。ウルトラマンの出身地という設定になっていたため、小さい天体ながら知名度は高い。

おわりに

この記事を読んだあなたが、今までとは違った視点で夜空を見上げていることを楽しみにしている。

参考文献

[1] 早水勉 (2017).『星空の教科書』. 技術評論社.